男性も節約の主体に

家庭における節約を考えたとき、その主体的役割を果たすのは女性だというのが一般的な認識であると思います。実際に家計の支出行動の大部分は女性が担っているのでそれは間違いであるとは言えません。
 ただし、そのことは同時に家計の収入の大部分を担う男性から、支出行動の主体となる機会の多くを奪い、その結果として節約への能動的な参加を抑制するような面があったことも事実であると思います。具体的に言えば、節約生活のなかでも男性は自分の“お小遣い”をなんとか捻出しようとして女性と虚虚実実の駆け引きをしたり、“たまにする贅沢”の大部分が男性の嗜好による、といったことです。
 これを家計の節約という観点から考えると、当然のこととしてその効率を低下させることになるとともに、男性から節約という意識を奪うことになっていることは否定できません。
 しかし、現在のような厳しい経済状況のなかでは、男性がその職場において節約行動の担い手となっていることが実は多いと思います。役員等はともかくとして、少なくとも一般社員に経費の濫用を認めている会社はあり得ないと思うからです。昨今のエコブームを追い風にして、そうした傾向はさらに高まっていると思います。エアコンのスイッチには季節ごとの守るべき温度設定が明示され、企業によっては使用期間も明示されているといった状況や、照明の減量やスイッチOFFの励行など、家庭においても役に立つと思われる行動を常態的に実施しているはずです。こうした節約のノウハウを身に付けている男性が、家庭においては浪費や無駄使いの原因になってしまっているというのは、大きな損失であると思います。
 家計のすべてを男性が取り仕切るのは無理だとしても、家計の状況や支出について男性がもっと主体的に認識・行動することが必要であると思います。そして、そのことは男性の意識改革のみによって実現されることではなく、家計を担う女性が家計をオープンにしながら男性と共に支出行動を行うということから始められるのではないかと思います。